本当に休んでいいの?「怠惰なんて存在しない〜終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論〜」読書レビュー

みなさまどーも、もちさんです。
今回は、デヴォン・プライス著 佐々木寛子訳「怠惰なんて存在しない」という本の読書レビューです。
(2025/03/11現在、kindle Unlimited対象です。)
この本をKindleで見かけた時の最初の印象は
「は?ありえないでしょう。」 でした。
怠惰は存在しない?いや存在するでしょう。
私みたいに定期的になまけたくなる人間にとって、怠惰は必要不可欠。
久々に強烈なタイトルから引き込まれた本でした。
この本を読んだ感想(ネタバレなし)は次の通りです。
- 文章の内容が硬く、エビデンス→自論の展開を繰り返していく本。長い。
- 無理して働くと、健康・仕事の質にもダメージが出ると様々な観点から論じている本である。
- もっと自分に優しくなろうと思える本である。
完読難易度
読みやすさ おすすめ度全てを読むのは大変ですので、目次に目を通し、気になった所をよんでいくのがオススメです。

特に真面目に一生懸命生きている人にオススメの本です。

お兄ちゃんみたいな適当な人が怠惰を覚えたら、なんもしなくなっちゃうから、もうすこしがんばろうね!

さくら・・・辛辣ぅっ!
では、本題です。
ここからさきは、多少ネタバレが入ります。ご承知おきください。
※この本はKindle Unlimited対象です。初月無料で約500万冊の本が読み放題です。
- 真面目なあなた
- 働きすぎだと感じるあなた
- 働き方改革をしたいあなた
「怠惰のウソ」
この言葉がこの本では何度も出てきます。(※下線部は私の独断で引きました。)
「怠惰のウソ」とは、「あくせく働くことは、のんびりするより道徳的に優れている」「生産性の高い人は生産性が低い人より価値がある」という考え方のことだ。表立っては語られないが、この価値観は世の中の常識になっている。わたしたちの働き方、人間関係での境界線の引き方、望ましい人生や生活についての考え方などには、この「怠惰のウソ」が影響している。
「怠惰のウソ」には、次の3原則がある。
1 人の価値は生産性で測られる
2 自分の限界を疑え
3 もっとできることがあるはずだ。
2024年5月 デヴォン・プライス ディスカヴァー・トゥエンティワン

まさに私はこの3原則で副業ブログやってるんですが・・・
この「怠惰のウソ」を否定するために、この本を通して、エビデンス→自論を繰り返し展開しています。
また、著者自身、この本を次のように位置づけています。
この本は、一般に「怠惰」として切り捨てられている行為を全面的に肯定し、社会から「怠け者」だと排斥されている人々を全力で擁護する一冊だ。
(中略)
「自分はどうしようもなく怠惰な人間だ」という恐怖心は見当違いだから捨てていい、という根拠をしめすので、読んで安心してほしい。
2024年5月 デヴォン・プライス ディスカヴァー・トゥエンティワン

なんか、すごく優しさを感じるね。

そもそも、なんで怠惰なんて存在しないっていったんだ?

それには著者自身が過労で体調を崩した経験からきているんだ。
そして、苦しんだ末、「怠惰のウソ」と呼ぶようになったんだ。
「怠惰のウソ」は深く文化に根ざした価値体系で次のことを私たちに信じ込ませている
●表向きはどうあれ、本質的に自分は怠惰で無価値だ。
●怠惰な自分を克服するために、いつも一生懸命頑張らなくてはいけない。
●自分の価値は生産性で決まる。
●仕事は人生の中心だ。
●途中でやめてしまうこと、頑張らないことは不道徳だ。
2024年5月 デヴォン・プライス ディスカヴァー・トゥエンティワン

私は今も、この価値が根底にあります。
この価値観を変えることはかなり大変でしょうね。
だって、がんばらないと、食べていけないんですもの。

でも、お兄ちゃん普段適当だけど、働く時はとことん働くし、心配だよ。

それに、著者は研究者の立場を活かして、心理学の視点から、怠惰の歴史・生産性について調べたらしいぞ。そこから、怠惰とみなされる行為を次のように述べているぞ。
しかも、「怠惰」とみなされている行為は、実際には、自己防衛本能の強い表れなのだという。やる気が出ない、目標が定まらない、といった「怠惰」な状態になるのは、心や体が安静や静謐さをもとめて悲鳴をあげているからだ。疲労がたまっているときには、心身の訴えを聞き、その声を尊重して、ようやく回復へと向かえる。
2024年5月 デヴォン・プライス ディスカヴァー・トゥエンティワン

さらに、章末にこう締めくくっている。
「怠惰は存在しない」ってのは、「休みたい・のんびりしたいって思うのは体が休養を求めているサインだから、怠惰とは言わない」ってことだったんだな。
体の上げる非常ベルの音を無視してまで、自分を追い詰める必要はない。
休むことを拒まなくていい。
怠惰を恐れる必要はない。
そもそも「怠惰」なんて存在しないのだから。
2024年5月 デヴォン・プライス ディスカヴァー・トゥエンティワン
この本は、怠惰とその「怠惰のウソ」についてを考察・分析した後、次のように展開していきます。
- 働き過ぎについて
- 人間の価値とは
- 情報過多の時代における情報との付き合い方
- 人間関係の整理
- 「〜すべき」から自分を守る
- まとめ
おわりに
- ブログは労働集約型。ある程度の量をやらなければ成果はでない。本業もある。休養と仕事と副業。そのバランスに苦しむと思う。
- たまには、何もしない日を作ってもいいかもしれない。
私たちは「我慢」することに慣れきってしまっているかもしれない。 - ペットは癒やし。うちのハムスターみたいに、いてくれるだけで価値がある。
なら、自分だって愛や安らぎを得る価値があるんだと学んだ。
この本と出会った時、私はブログ立ち上げ真っ只中でした。
私は仕事が休みの日は、ほぼ副業に投下していました。
まとまって非生産的な時間を過ごすことは、あまりありませんでした。
それこそ、高効率・生産性を追求していたので、非生産性=悪だと思っていました。
普段の私でしたら、この本をスルーしたでしょう。
でも、スルーできなかったんです。
その時のポストがこちら↓
https://twitter.com/mochisan223/status/1894745845456883880
なぜなら、心が悲鳴をあげていたからです。私は心身疲れ切っていました。
怠惰=悪だと信じて、営業車に乗り、副業デスクに向かい続けました。
でも、ある日ガタがきてしばらく休みました。
そして、全ての作業を取りやめ、この本を読む時間をとりました。
本著を読んでいくうちに、著者の優しさが心に染みました。
すべてを一気に変えることは難しいですが、少しだけ、自分に、人に優しくしていこうと思います。
自分に優しく・人に優しくし続ける。
著者が「怠惰のウソ」に抗うために必要な要素の1つとしてあげています。
みなさんはできていますか?

私は自分に厳しいので、カイゼンしていきたいところです。

・・・じぃー(疑いの目)
今回紹介した本に興味をもたれた方は、ぜひ読んでみてください。
おわりです。
ここまでよんでくださり、ありがとうございました。
※この本は、2025/03/11現在、Kindle Unlimited対象です。

電子書籍の読書に専念するなら、こちら↓の端末もオススメです。私は型落ちの同モデルを使っています。

上位モデルのシグニチャーエディションもいいぞ。もちさんの奥さんは型落ちだが、こっちをつかっているぞ。